ずいぶん前から、街中で野良犬を見かけなくなりました。
そして今、街の風景から野良猫の姿も消えつつあります。
埋め立てによって生まれた、東京23区内の無人島「○○島」。
賑わいを失った海沿いの公園や遊歩道、生活漁港、奇跡的に残された自然海岸――。
東京湾岸には、目には見えない境界線で区切られた、“隙間”のような場所が点在しています。
そんな、人の関心が届きにくい場所だからこそ、猫たちは人知れず、ひっそりと暮らしていけるのです。
彼らは、自らの意思でこの場所に来たわけではありません。
飼い猫の“半分”ともいえる人生を、ここで生き、ここで育み、やがて静かに姿を消していきます。
野良猫は野生動物では無いので人の助けがなければ、生き延びることはできません。
人家の無い海辺の環境はとても過酷ですが、彼らはただ「今日を生き抜くこと」だけを考え、そして今日も、あの人の気配をじっと待ち続けています。
人間の都合に翻弄されながらも、短い一生を懸命に生きるその姿を、「記録」ではなく「記憶」として残したい――。そう強く思い、私は東京湾岸で20年にわたり、猫たちを撮り続けてきました。
主なロケ地:東京都 江東区・品川区・大田区 / 千葉県 富津市
■会期 2025年7月17日(木)~7月28日(月)
■OMシステムギャラリー 写真展情報
■OM SYSTEM ホームページ
■ギャラリートーク
2025年7月19日 16:30~17:15
写真展DM、写真展レイアウト、写真集「LIFE」のディレクションをお願いしました、
アートディレクター三村漢さんをゲストに迎え、ギャラリーラウンド形式で作品・写真集のお話をさせて頂きます。※予約不要・無料
■写真集
本写真展開催にあわせて制作しました写真集を、ギャラリーで販売します。
アートディレクション 三村漢氏
■出展作品数 A2変形サイズ 60点
■作者プロフィール
1963年群馬県生まれ 東京都在住の会社役員 中学時代からカメラを片手に旅に出る。
鉄道情景写真を好んで撮影していたが、2005年にデジタルカメラのテスト撮影で近所の野良猫を撮影したのをきっかけに猫の写真に興味を抱く。
以降、会社勤めの傍ら休日の全てを使い、東京湾岸地域に生きる外猫たちの『記憶』をテーマに撮影。
■主な個展
2007年3月~ キヤノンギャラリー銀座
他5都市巡回(第17回 林忠彦賞 最終候補作品展)
2010年2月 エプソンギャラリーエプサイト(スポットライト制度 第1回対象作品展)
2010年2月~ キヤノンギャラリー銀座 他2都市巡回
2011年6月 ギャラリールデコ(渋谷)
2013年8月 コニカミノルタプラザ
2016年2月 コニカミノルタプラザ
2019年10月 NineGallery
2023年5月 富士フイルムフォトサロン東京/大阪(※鉄道モチーフ)
2024年8月 富士フォトギャラリー銀座