2025年6月28日土曜日

【LIFE 写真展によせて: 010】写真集と展示プリント

 


「ILFORD GOLD FIBER GLOSS」A2サイズ(25枚入)を3箱使って60枚のプリントを仕上げる。プリンターはCanon PRO-1000。PRO-2000ではこの用紙のポテンシャルを引き出せないので、時間はかかるが自宅で少しずつ印刷した。

2007年のキヤノンギャラリーでの個展は銀塩プリント、2010年は「Canon PIXUS PRO9500Ⅱ」を使用。今回は当時のデータをそのまま(私は撮影した時の現像を再現像することは無い)現代のインクジェットプリンターで出力すると、当時は自分でも気が付かなかった細かなニュアンスまで表現できていることに驚く。

そして、裏打ち前に写真展に併せて販売する写真集の本機での印刷ペラとの突き合わせ。

写真集はオフセット印刷なので、ラボ経験があるとはいえ私にはまったくお手上げ。
なので、今回アートディレクションをお願いした三村漢さんの私の作品に対する解釈と、それを油性インクに変換するプリンティングディレクターの鈴木利行さんにほぼお任せ。

印刷方法が異なること以前に、見る空間が異なること、展示と写真集は異なる写真表現であることから同じにする必要は無いが、2人のディレクターが解釈した写真集の色を参考にさせて頂き2割程度は展示プリントを再プリントしました。

1箱37,000円の用紙を結果4箱消費。
緊張の連続でしたが、作業を終えた今は何か少し寂しい気持ち(苦笑)

写真は「撮る」「纏める」「印刷する」「見て頂く」と1ショットから4回も楽しみがあるから、一つのテーマで20年も撮影を続けることが出来たのかな、と思います。